【連載】『わたしが推した神』ACT1-9 「結婚したい!」から遠く離れて

 おそらくディアギレフは、南米に行くかどうかぎりぎりまで迷っていたのだろう。彼は自分の名前で1等船室をおさえていた。 部屋は「Aデッキ 60番」──ニジンスキーの部屋の隣である。  やはり行くべきだった。 彼が休暇先のヴ … 続きを読む 【連載】『わたしが推した神』ACT1-9 「結婚したい!」から遠く離れて